触らないでよ！〜彼氏に振られたその日、女の子(？)に告白されました〜

「そうだよ、あの子の家に泊まったの」

「浮気しちゃだめだよ？」



予期しない言葉に思わずたじろく。



「澪ちゃんにとっては、私が女の子の部屋に泊まることも浮気になるの？」

「男女問わずね。ミカさんはこうして私と付き合ってるわけだし？
男に振られまくって女に走っちゃったわけだからそりゃ心配でしょ」



その言い方が上から目線に聞こえて少しムッとする。



「じゃ、澪ちゃんも、ダメじゃん」

「朝の男の人、私この前も見たことある」

「映画行ったとき、私と別れてからあの人と一緒だったでしょ」



立て続けに言われて、何かを思い出すように澪ちゃんの視線が上に泳ぐ。

あっ、と小さく叫んで、奥のボックス席に聞こえるのではと思うほど大きな声を出した。