触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
ーーちょっと早いけど、お風呂に入ろう。


お風呂の掃除をしてからお湯を溜める。

持ち込む用の小説を何冊かとタブレット、ミネラルウォーターを準備する。


まだお湯が溜まりきっていない状態で、浴室に入る。

お湯が溜まるまで体と髪を洗ってから、浴槽に入って持ってきた小説をめくる。



「……あ、これ」

ーー澪ちゃんと観た映画の原作だ。


あのときは、手を触れられただけで怯んでいたのに、今はキスまでできるようになった。

今まで付き合って来た人達とは半年かけてもできなかったことを、比べ物にならないくらいスピードで経験をしている。


澪ちゃんが女の子だから、そこまでの嫌悪感や警戒心がないのかもしれない。

でも、キスをしたってことはそれ以上もあるかもしれない。
澪ちゃんなら躊躇なくしそうだ。






本を閉じて、持ってきたタブレットで検索する。



「ーーこういうのを入れるの……?」



男性器を模したいわゆる「大人の玩具」を見て驚愕する。

男兄弟もいなくて身の回りの異性といえば真っ先に父親が出てくる私にとって、これを入れるというのはあまりにもハードルが高い。


ーーあ、ムリだこれ……。


のぼせるほど入っていたわけではないのに頭がクラクラした。
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