触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
持ち込んだ本とタブレット、ミネラルウォーターの入ったペットボトルを抱えて、体にバスタオルを巻いたままソファに倒れ込む。



ガラステーブルに置いたスマホが点滅しているのが見える。

のっそりとした動作で手を伸ばす。



澪ちゃんから、着信が2件とメッセージが入っていた。

さっきまで見ていた検索結果を思い出す。


ーーとりあえず、電話しなきゃ。


恥ずかしさで叫びたくなる気持ちを抑えて、ソファに寝転がりながら電話をかける。



「……澪ちゃん?」

『ミカさん、寝てた?』



澪ちゃんの声を聞くと余計に意識してしまう。
自分がこんな格好だからかもしれない。
服を着てからかければよかった。



「ううん、お風呂入ってた。どうしたの?」

『あ、会いたいなーって思って、電話しました』

「今から? 澪ちゃん今日仕事は?」

『これから』



ーーだから何度かかけてきてくれてたのか。

自分のタイミングの悪さを呪う。

部屋の時計を見ると、16時になろうとしていた。
日も傾きかけている。



『あ、でももう仕事だから、今日は我慢します』



慌てたように澪ちゃんが早口で喋る。

気を遣ってくれているとわかって愛おしくなる。



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