触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
日中の睡眠時間が長かったせいか、たくさんキスをしたせいか、なかなか眠れない。

澪ちゃんはそんな私とは対照的に、仰向けになりながら目を閉じている。布団の中を探ってお腹に置いてあった澪ちゃんの左手を握る。


前に「手だけで満足できるのか」と不満そうに言っていた澪ちゃんの気持ちが、少しわかった気がした。



「ーー眠れないの?」



少し低い声で澪ちゃんが言った。
手を握り返される。



「……少し」



ベッドのスプリングが軋んで、澪ちゃんが向かい合った。
暗闇で目が合う。

右手が私の頬を撫でた。
そのまま今日何度目かのキスをした。
今まで頑なに拒んでいたキスがこんなに気持ちいいなんて、初めて知った。
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