エリート副社長とのお見合い事情~御曹司はかりそめ婚約者を甘く奪う~


急に周りの空気が重たい水にでも変わってしまったかのように身動きがとれなくなる。
ショックで……ただ、ショックでそれだけだった。

真面目だと思っていた四宮さんが実は違ったからショックなんだろうか。
それとも、自分も遊ばれたのかもしれないという考えに行きついてしまったからなのか。

「俺と四宮、大学からの仲だって話しただろ? いくらなんでも、性格が合わない俺たちが未だにつるんでるのはなにかしら似た部分があるからなんだよ。そこが女関係ってだけの話。だから四宮、親に紹介できるような女がいなかったわけだし」

氷室さんがマットレスを選びながら話す声が、脳を上滑りしていく。

広い店内。所狭しと並ぶマットレスに色とりどりの寝具カバー。天井には眩しいほどの照明が設置されているっていうのに、目の前が真っ暗だった。




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