エリート副社長とのお見合い事情~御曹司はかりそめ婚約者を甘く奪う~
興味深々!といった感じで前のめりになられると、そこまで楽しんでもらえるほどの話ではない気がして話しにくさを感じる。
それでも、ひとりで抱えるには大きすぎる問題を打ち明ける相手としては、浅尾さんはこれ以上ないほど適任に思えた。
浅尾さんは四宮さんをよく知っているみたいだし、なにより、私が浅尾さんを信頼しているから。
四宮さんに迷惑がかからないように、告白されたことは悟られないよう慎重に言葉を探す。
「あの、月曜日に氷室さん主催で四宮副社長の誕生日パーティーを開いたんです。パーティーって言っても参加者は私を含めて三人だけの、ただ食事する会でしたけど。その席で、副社長と話す機会があって……少し話してみたら、副社長ってどんな方なんだろうって気になっちゃって」
そんなことを頭を抱えて悩んでいたの?なんてツッコまれたらどうしよう……と、言った直後思ったけれど、浅尾さんは「へー、そうなんだ」とパッと笑顔を浮かべていてホッとする。
「いいね。パーティー楽しそう」
「あ、もし今後そういう機会があったら声かけますね」
「本当? 楽しみにしてるね」
そう笑った浅尾さんが、メロンパンを頬張る。
それからニタッとした顔で私を見た。
「で、四宮くんのことが気になっちゃったんだ」
「気になったというか……はい」