あなたが私を忘れても


歪んでいく道の途中で差し出された手は温かくて永遠に続くと思ってしまった。

そこは砂漠のオアシスと同じで離れてしまえば戻れない場所だと気づいたのは会えなくなってからで。

面影を抱えたまま道を歩きいつしか闇にとらわれて自分の中でしか生きられなくなっている。

食事代わりに薬を、水の代わりにお酒を。

あなたは私を覚えてないだろうけれどそれでいい。

私はあなたを忘れられないけれどそれでいい。

いつかこの道が終われば消えてしまうのだから。

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