花火大会 〜14年目の永遠の誓い 番外編(4)〜
射的を終えて、再度ぶらぶらしていると、
「あれ? 広瀬!?」
とどこかで聞いた声に呼び止められた。
振り返ると、そこにいたのはTシャツにGパン姿のがっしりした長身の友人。
「斎藤?」
一年で大分追いて、身長差は数センチだけど、身体つきでは叶わない。オレも鍛えているつもりだけど、どうにもガッシリとは筋肉が付かない。
川沿いの遊歩道は結構な賑わいで、河川敷は場所取りのビニールシートやピクニックシートがギッシリ敷き詰められていた。
川沿いでの花火大会だけに、店も長々と軒を連ねているし、花火見学のスポットも広い。
そんな中、まさかの知り合いとの遭遇。
「なに、お前、浴衣なんか着て。……てか、似合うな」
「だろ?」
オレが笑って言うと、斎藤はオレの隣のハルに気付いて、目を見開いた。
「……牧村!?」
いつだって可愛いけど、今日は薄化粧までして、いつも以上に可愛いハル。
「こんにちは」
ハルがはにかんでそう言うと、斎藤は何故か赤くなった。
「ああ、えーと、……こんにちは?」
なんで疑問文だ、斎藤。
心中突っ込んでいると、斎藤の連れがハルに気付いて騒ぎ出した。
「なに、拓斗。高校の友だち? ……って、うわっ、メチャクチャ可愛い」
「おい、紹介しろよ!」
わらわらと出てきた男どもは、どいつもこいつも背が高い。そして、見覚えがない。
「斎藤、中学の友だち?」
「あ、そう。部活の」
ってことはバスケ部か。でかいはずだ。