花火大会 〜14年目の永遠の誓い 番外編(4)〜
羽鳥先輩はしーちゃんの彼氏。ひとつ上の高校3年生。
学年一番をこれまで一度も落としたことがない、とても頭が良くて優しい先輩。
わたしも頭は悪くない方だと思う。受けられたテストの成績は、上位1割を下回ったことがない。
体調が良ければ、一桁に入ることもある。ただし、わたしの場合、テスト自体を受けられない事もあるのが一番の問題だ。
この一学期は中間も期末もちゃんと受けられた。
春先に入院したけど、初夏から今まで体調が安定しているおかげで、今のところ、出席日数の方も順調だ。
レポートが必要なのは体育だけ。それも、普段から書いて提出しているから、この期末で赤点がなければ、じきに長い夏休みがやってくる。
今回のテストも、もちろん赤点なんて取っていないはずだから、わたしの心の中は「一学期が終わった」感でいっぱいだった。
夏休みは毎年、一週間程度の検査入院をする。
心臓はもちろんのこと、あまり数値の良くない別の臓器も一緒にしっかり調べるんだ。
それが終わったら、カナやお兄ちゃん、晃太くんと一緒に高原の別荘に避暑に行く。
うだるような夏の暑さがダメなわたしも、涼しいカラッとした気候の避暑地でなら、何とか夏を乗り越えることができる。
特に何をする訳でもないけど、ちょっとした非日常の時間をわたしはとっても楽しみにしていた。
「……るな? 陽菜?」
「………え?」
学年一番をこれまで一度も落としたことがない、とても頭が良くて優しい先輩。
わたしも頭は悪くない方だと思う。受けられたテストの成績は、上位1割を下回ったことがない。
体調が良ければ、一桁に入ることもある。ただし、わたしの場合、テスト自体を受けられない事もあるのが一番の問題だ。
この一学期は中間も期末もちゃんと受けられた。
春先に入院したけど、初夏から今まで体調が安定しているおかげで、今のところ、出席日数の方も順調だ。
レポートが必要なのは体育だけ。それも、普段から書いて提出しているから、この期末で赤点がなければ、じきに長い夏休みがやってくる。
今回のテストも、もちろん赤点なんて取っていないはずだから、わたしの心の中は「一学期が終わった」感でいっぱいだった。
夏休みは毎年、一週間程度の検査入院をする。
心臓はもちろんのこと、あまり数値の良くない別の臓器も一緒にしっかり調べるんだ。
それが終わったら、カナやお兄ちゃん、晃太くんと一緒に高原の別荘に避暑に行く。
うだるような夏の暑さがダメなわたしも、涼しいカラッとした気候の避暑地でなら、何とか夏を乗り越えることができる。
特に何をする訳でもないけど、ちょっとした非日常の時間をわたしはとっても楽しみにしていた。
「……るな? 陽菜?」
「………え?」