花火大会 〜14年目の永遠の誓い 番外編(4)〜
■2■
今日は待ちに待った花火大会当日。
ここのところ、日に日に暑くなってきていたから、陽菜の体調が心配だったけど、昨日の終業式では元気だったし、今日も問題ないと叶太くんから連絡があった。
「ちゃんとご挨拶してね」
「うん。送ってくれてありがとう!」
川沿いのホテルのエントランスまでは、お母さんの車で来た。
「手土産持った?」
「大丈夫、ちゃんと持ったよ」
お母さんお勧めの和菓子屋さんの袋を持ち上げて見せる。
いつまで経っても子ども扱い。でも、自分がそう気の利くタイプだとも思えないので、素直に従っておく。
だって、陽菜のおじいさんとおばあさんって、つまり牧村総合病院の院長先生と院長婦人でしょう? 陽菜の家のお隣の大きな和風のお屋敷や幾つも並ぶ蔵、池まである立派な日本庭園を見ても、ちょっと別世界の方だなって思うもの。
「帰りは十時半でいいのね?」
交通規制が終わるのが、十時だそうで。直後は混むからと、その三十分後がお迎えの時間。
陽菜からは泊って行けば良いのにと誘われたけど、さすがにそれは申し訳なくてお断りした。
「うん。遅くにごめんね」
「年頃の娘を一人で帰って来させる方が心配だもの」
お母さんはほがらかに笑う。
子ども扱いだけど、大事にされてるなーと思う。
ホント、ありがたい!
「楽しんでいらっしゃいね」
「はーい。行ってきまーす」
☆ ☆ ☆
ここのところ、日に日に暑くなってきていたから、陽菜の体調が心配だったけど、昨日の終業式では元気だったし、今日も問題ないと叶太くんから連絡があった。
「ちゃんとご挨拶してね」
「うん。送ってくれてありがとう!」
川沿いのホテルのエントランスまでは、お母さんの車で来た。
「手土産持った?」
「大丈夫、ちゃんと持ったよ」
お母さんお勧めの和菓子屋さんの袋を持ち上げて見せる。
いつまで経っても子ども扱い。でも、自分がそう気の利くタイプだとも思えないので、素直に従っておく。
だって、陽菜のおじいさんとおばあさんって、つまり牧村総合病院の院長先生と院長婦人でしょう? 陽菜の家のお隣の大きな和風のお屋敷や幾つも並ぶ蔵、池まである立派な日本庭園を見ても、ちょっと別世界の方だなって思うもの。
「帰りは十時半でいいのね?」
交通規制が終わるのが、十時だそうで。直後は混むからと、その三十分後がお迎えの時間。
陽菜からは泊って行けば良いのにと誘われたけど、さすがにそれは申し訳なくてお断りした。
「うん。遅くにごめんね」
「年頃の娘を一人で帰って来させる方が心配だもの」
お母さんはほがらかに笑う。
子ども扱いだけど、大事にされてるなーと思う。
ホント、ありがたい!
「楽しんでいらっしゃいね」
「はーい。行ってきまーす」
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