記憶奏失
「高々三週間の話でしょ? 大丈夫だよ。山本さんもいるし」
「——ありがとね、ひかり。愛してるわ。何日か早いけど、お誕生日おめでとう」
「うん、ありがと。でも、謝るのは私の方だよ。これまでずっと、私のことで断り続けてたんでしょ? ごめんね」
「どうしてひかりが謝るのよ。もう、しっかり良い子に育っちゃって。誰に似たのかしら」
「紛れもなく血の繋がった親子だよ、もう。友達にね、よく『お母さんに似てるね』って言われるの。私、それがすっごく誇りなんだ」
ひかりがそんなことを笑顔で言う頃。
美那子の目には、薄っすらと涙の色が見て取れた。
「——ありがとね、ひかり。愛してるわ。何日か早いけど、お誕生日おめでとう」
「うん、ありがと。でも、謝るのは私の方だよ。これまでずっと、私のことで断り続けてたんでしょ? ごめんね」
「どうしてひかりが謝るのよ。もう、しっかり良い子に育っちゃって。誰に似たのかしら」
「紛れもなく血の繋がった親子だよ、もう。友達にね、よく『お母さんに似てるね』って言われるの。私、それがすっごく誇りなんだ」
ひかりがそんなことを笑顔で言う頃。
美那子の目には、薄っすらと涙の色が見て取れた。