瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。


だから,お母様の期待に応えたい。

死んだ後に,ありがとうってお父様に抱きしめて貰いたい。

イアンにごめんねって謝って,許して貰いたい。

私は私の幸せのために,命をかける。

誰だってそうでしょう?

みんな自分の命と幸せを求めて動いているんでしょう?

私の幸せは周りから見るとちっぽけかもしれないけれど,私には十分。

私は私の幸せを追い求める為の道具として自分の命を利用する。

だから神様,どうか私に力をください。

今だけあなたを信じるから。

私は自然な笑みを作った。

そして,訳が分からないという声で

「なんで?」

といった。

ヘルも私と同じように笑みを浮かべて

「いや〜,アイリスにメイドなんて務まらないんじゃないかなーって。
バケツひっくり返しちゃうもんねー?」
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