瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。


なんだか悲しかった。

私のこいつへの憎しみはずっと先頭にいる。

でも3番目くらいに,悲しみが混じっていた。

私よりも2歳くらい年下の子でも,こんな目をする世界になっているのか,と。

それでもこいつが仇であることは変わりない。

「…そこの机の上に置いておけ。」

「はい。」

さぁ,どうする?

こんなチャンス,きっとこれから数回しか来ない。

私はただの新人メイドなのだから,陛下に近づけるわけながない。

それもこれもテールさんのおかげ。

テールさんのようなメイドになるには,長い年月を所望する。

直ぐ,早くこいつの弱みを握ってやりたい!
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