瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。
この,反吐が出る,壊れかけの世界なんて,直ぐに私がぶち壊して殺る。
だから,多少強引な手を使ったって,構わない。
ゆっくりと歩き,ベッドのサイドテーブルの中央にコトリ,と置いたところで私は決意を固める。
いつになっても出ていかない私に嫌気が差したのか,こちらを少し睨みつけながら見てくる。
それでも構わない。
あいつがこっちを見ているということは,私に少なからず集中してくれていると言うこと。
それだけで十分だ。
「陛下,私とお茶をしませんか。」
睨まれても引かれても,私は絶対目をそらさない。
何があっても,現実から目をそらさないから。
「……は?」
1文字だけだけれど,その声には‘’こいつおかしいんじゃないか?”とか,‘’意味がわからない”とかの感情が混じっていることは一目瞭然だった。
‘’私”を意識してくれたのだ。
例え変人だとか,おかしな奴だとかの関心だったとしても,それは私に興味を抱いてくれたのと同じ。
どんな感情であろうと,私を意識してくれた事実は変わらない。