瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。


うーん……。

客観視して振り返ってみると,結構無理のある言い訳だな……。

自分でも恥ずかしくなってくる。

でも,仕方ないじゃない。

こうでも言わなきゃ,記憶に残る人物にはなれない。

あなたの弱みを握るためなんて,口が裂けたとしても,死んだとしても言えない。

今回の目的はとにかく印象に残る人になることなんだから。

良いよね,このくらい。

もう,後には引けないし,突き通していくしかない。

だが,案の定すごく呆れられながら断られて,部屋から押し出されてしまう。
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