瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。


でも実際は,みんな自分のことしか頭にないのだ。

でも,だからこそ世界は成り立っている。

みんな自分を中心に世界が回っているから,自由で優しいのだ。

ただし,残酷でもある。

強きものは弱者を蹴倒す。

どれだけ美しくたって,弱いものは簡単に滅びてゆく。

おかしい。

でもそのおかしさが‘’普通”なのだ

世間一般的なのだ。

俺は10分くらい街を歩いたあと,城の庭園へ行った。

ここは色々な花々が咲き誇っている。

赤色のバラが主張をする中,俺は周りを見渡す。

すると,雑草の中に紛れ込んでいる,毒々しい刺々とした草を見つけた。
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