瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。


俺のたった1人の幼なじみだった彼女は,何かと理由をつけて,俺に会いに来た。

そして…きっと俺は彼女に恋をしていたんだと思う。

眩しい太陽みたいに笑う彼女を愛していたんだ。

でも,彼女は最近,曇った表情しか見せなくなった。

それどころか,どんどん悪化していく病。
色々なことが悪化していく。

また,俺を置いていくのか?
また,俺を捨てていくのか?

彼女を見るたび悔しくて,悲しくて,辛かった。

どうしてみんな,俺と深い繋がりの人はいなくなるんだろう?

俺の前から消えるんだ?

彼女の儚い微笑みと,母さんの微笑みが重なった。
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