瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。
「大丈夫!バレないように入れば,良いから!」
「ねぇねぇねぇ!王様ってどんな人?」
私の言葉に被せるように,エラが聞いてくる。
その言葉がエラの口から出て来たことにすごくびっくりした…
「ええ!!し,知らないの?」
普通,聞くなら私の方じゃない?
ずっと王様のこと知りたがっていたのに…
「うん。なんか病弱?みたいで,国民の前に姿を現したことが,前国王から今の国王に即位する時だけだったみたい。」
つまり,即位する時だけしか国民の前に姿を現さなかったの!?
いくら病弱だからってなんかおかしい気がするけど…
国王の一番と言えそうな弱点,見つけられた!