瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。
2人で顔を見つめあって,小さく微笑む。
もう,ここに来てから笑うことはないかと思ったのに…エラのおかげだな。
「汚い部屋だけど,ゆっくりしてね。」
エラはじっと周りを見渡している。
「ここ,本当にお城なの?」
そう言うエラに苦笑いを浮かべる。
そりゃそうだよね…
ボロボロの壁,雨が降ったら壊れそうな天井,おまけにベットと机と椅子しかない。
色んなところに埃がたまってる。
「メイドの部屋だけだよ。
多分,王様が暮らす所は,こんなボロボロじゃないよ。」
「もうちょっと良い部屋欲しいね。」
「そうだね〜。」