瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。


ああ,そっか。

私はずっと,誰かにこの不安を聞いて欲しかったんだ。

この子になら,話しても良いだろうか?

「あのね…」

話出したら,止まらなかった。

封印したはずの気持ちが溢れ出す。

苦しかった。
悲しかった。
辛かったの。

私よりも年下の女の子に弱みを吐くなんて,以前の私なら絶対しなかっただろう。

でも,今なら。

この国に来てから,私は強くなれた。
変わることができた。
たくさんたくさんがんばった。

だから…少しくらい,わがまま言っても良いよね…?

私は感情に委ねて,静かに語り出した。
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