瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。
分かっているけれど…どうしても悔しかった。悲しかった。
そんな自分にもイラついた。
そんな時を何年か過ごしたある日。
私はその年,11歳。
イアンはまだ6歳になったばかりの頃。
突然,悲劇が私達家族を襲った。
–––––バァァァンッッ!!!!!
何が崩れる音。
–––––嫌ぁぁぁぁぁ!
誰かの悲鳴,叫び声。
–––––ガシャンッッ!!!!!
何かが割れる音。