瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。


今思えば,私は自分の悪夢から解放されたくて,復讐を決めたのだ。

全部,自分のためにしか動けない最低人間だった。

復讐の中には,デメリットなんて一つもなかったのだ。

偽善者なんか捨ててしまえばいい。

私は,罪をなくすために罪を重ねることを決断してしまったのだ。

『お母様。』

私は微笑む。

お母様と同じように,全てを捨ててみよう。

『復讐,して見せましょう。』

『そう言ってくれると思ったわ。』

2人で穏やかに笑い,世界の絶望さに失望する。

でも,もう良いのだ。
私は,もう自由になれる。
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