瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。
みんな,幸せだなぁと私は思う。
そういう微笑ましい想像しかできないなんて,とても羨ましい限りだな。
私が人殺しを計画しているなんて,考えもしないだろう。
私が普通じゃないのかな?
いや,違うな,と私は思う。
普通なんて,この世界にはないし,人の数だけ存在する。
ただ,このパターンが多いから,それを普通という言葉に置き換えているだけなのだ。
暖かい家庭に誰もがいることはない。
暖かい家庭に住む人が多いだけで,それが“普通”なわけない。
私もある意味,普通なのだ。