瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。
エラにずっとここにいてもらうのは無理な話だ。
国王なんかに見つかったりしたら,ここを追い出されてしまう。
エラもそれをわかっていたみたいで,
「アイリスさん…。」
私の涙が引っ込んだ後に,エラはゆったりと話し出した。
「私…出て行った方が良いよね…。」
少し悲しそうな笑みを浮かべて,エラはそう言った。
「大丈夫っ!私,自分で働けそうな場所を探すし…」
それが強がりだと,私にはすぐにわかった。
「エラ,私が無責任にエラをここに連れてきたと思う?」
「……?」
首を傾げるエラ。
「もう,私が何にも考えてないとでも思ってるの?」
ますます首を傾げ,
「どう言うこと…?」
と聞いてくる。