瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。
「えーと…出来れば住み込みがいいんですけれど,ダメでも私がどうにかします!
だから,この子を働かせて下さい!!」
椅子から立ち上がり,深々と頭を下げる。
エラは驚きを隠せないとでも言うように大きな目をさらに大きく開く。
なめてもらっては困るなぁ。
私だってそれなりの覚悟でここへ来たのだから。
断られたら,素直に他の場所を探す。
そのくらい,私にだってできるし。
シールさんは少し俯いたあと,静かに口を開いた。
「……いいです。
エラさんを採用します!」
今度は私が目を見開く番だ。