瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。
実は私もそこまで自信がなかったのだ。
ダメ元で頼み込んで見ようと思っていたのに,まさか本当にOKしてくれるなんて。
「本当にいいんですか!?」
びっくりしすぎて,そう聞いてしまうほどだ。
そんな私をたしなめるようにシールさんは笑い,
「実は人手が足りなかったんです。」
と,柔らかく言った。
「今日からよろしくね,エラちゃん。」
「ぁ,はい!よろしくお願いします!」
そこからは話がトントン拍子で進み,エラの少ない荷物を新しい部屋に持っていく。
1階がお店,2階が自分達の生活スペースの構造になっていて,エラの荷物を運んでいると,
「アイリスさん。」
そう,エラが話しかけてきた。
作業をやめてエラの方を向くと,
「本当にありがとうございました!」