【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
駐車場までやって来て、二人が車に乗り込むのを見送る。 大好きなお父さんとの時間。いっつも忙しいからこうやって甘える事も中々出来ないもんね。
チビひなたの目線まで膝を折り曲げて笑顔で笑い掛ける。
「参観日良かったね。今日はたっくさんお父さんに甘えな。
じゃあ、私はここで。またね!バイバイ!」
「おい、君……」
何かを言いずらそうに樹くんがこちらへ視線を投げかける。
顔を上げて樹くんの方を見つめると、視線が右へ左へ動く。
私と樹くんの間に挟まれて、きょろきょろとチビひなたが私達を交互に見上げる。 そして樹くんの方へ駆け出して行った。
「お父さん、僕今日はカレー食べたい。」
「あ…ああ、そうか。じゃあどっかカレー屋さんにでも行くかい?
それともお父さんのカレーの方がいいか?」
樹くんが優しく言うと、チビひなたは首を横に振った。
そして私を指さしたんだ。
「僕デカひなたのカレーが食べたい…」
樹くんの大きな目が見開く。 私はびっくりして思わずチビひなたを凝視してしまった。
生意気そうな視線を向けて、その真っ白い肌が僅かにピンク色に染めあがる。
「それに新しいゲームもあるしさッ。デカひなたゲームしたいって言っただろう?」
「いいの?」