【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー

「全然良くないけど!別にお前に来てほしいとは思ってないけど!
僕じゃがいもが大きいカレーが好きなんだ。お父さんのカレーは具材がちっちゃいからさ。それにお店のカレーはスパイス云々って言って僕の口には合わない。」

なんつー可愛らしい事を言ってくれる。 思わずチビひなたの小さな体を抱きしめる。

「ぐぇっ、止めろよぉ。離せってば!」

「嬉しい!めっちゃ美味しいカレー作ってあげるね!!
って、いいの?」

チビひなたを抱きしめたまま樹くんの方へ視線を投げる。
頭を掻きながら空を見つめる樹くんは、口をへの字にしたまま言った。

「いいも何も……。陽向がそう言うならば…仕方がないだろう」

世界中に愛を叫び回りたい気持ちでいっぱいだった。
まさかのまさか。またこんな機会に恵まれる事になるなんて…。

やっぱり愛は地球を救う。一途な想いは実るんだよ!

樹くんの車でチビひなたと3人。 家に行く前にスーパーに寄ってカレーの材料を買う。

それすらも楽しく思える。いつもと同じ変わり映えしないスーパーさえ、南国のリゾート地に思えてしまう程幸せ。

傍から見たら私達って仲良し親子に見えちゃうんじゃないかな?ルンルン気分でお肉を選んでいたら、横からチビひなたが顔を覗きこんだ。

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