【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー

「言っておくけど、お前とお父さんが一緒に居ても全然似合ってなくて夫婦には見えないからな。浮かれるのは自由だけど、自分の立場を弁えておけよ」

やっぱり可愛くないガキ!!

再び来ることはもうないと思っていた樹くんの自宅。

キッチンでカレーを作っている間。チビひなたと樹くんは一緒に遊んでいた。それを見守りながら、微笑ましい気持ち。

夜になり3人で食卓を囲んでカレーを食べて、ご飯が終わったらゲームを一緒にした。


チビひなたが新しく買ったという格闘ゲームは、全然私は下手糞で話にならなかった。 でも樹くんはもっと下手糞だったから、それはそれで笑えた。

明日は学校も休みだという事でお菓子も許されたチビひなたは大いに喜んでいて、私も一緒にはしゃいでいたら「君はまるで子供と一緒だな」と樹くんに笑われた。


夜も更けてきて、チビひなたは眠そうに目を擦り樹くんに「お風呂に入れ」と言われた。

けれどもチビひなたは隣に居た私の手を掴んで離さなかった。 小さくて柔らかいチビひなたに手を握られると、嬉しくてちょっぴり切ない気持ちになる。

どうして子供というのはこんなに暖かく、柔らかい生き物なのだろう。全然好きではなかったのに、寧ろ苦手だったのに、守りたい気持ちになってしまう。

不思議な生き物だ。

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