【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
「そんなに見つめるな、照れる」
「ごめんなさい。余りにもかっこよすぎて」
「だから君は~~~…どうしてそんなに素直なんだ?」
「思った事が口から出てしまうのが癖と言いますか」
「全く、君と居ると調子が狂いっぱなしだ。
この俺が、参観日に参加するとは、そういった行事は避けてきたのに」
知ってます。知ってます。でもそれって全部チビひなたの為だって事も知っています。
「陽向は、君によく懐いているな。不思議なもんだ」
「懐いている…?馬鹿にされてますけれど」
「あいつは子供らしくない所があって、素直じゃないんだ。 俺から見てれば君の事が大好きなのは伝わる。
年上の女性は母親を亡くしているせいか苦手な所があるみたいで」
「同年代の友達って思われてるんじゃないですかねぇ……」
まさかのまさか。い~や、大いにありえる。 それはそれでショックなんだけど。精神年齢7歳かよって。
明らかに落胆をしている私を前に、樹くんはビールを片手に大笑いした。
「それに今日陽向のあんなに嬉しそうな顔、久しぶりに見た気がする。 我儘の言わない聞き分けの良い子だと思っていた。
特に向日葵…。妻が亡くなってから、すっかりと陽向はしっかりしてしまって。僕なら大丈夫って言うのが口癖になってしまっていて…
だから子供みたいな駄々をこねるのを見て、少しだけ安心した」