【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー

「一生懸命頑張っているひなたちゃんなら、恋も叶うさ」

にこりと微笑むジョージさんにお礼を言って、その澄んだ音色に耳を傾ける。

オルゴールの音色と共にラインを受信した。 樹くんから返事かな?!そう思って携帯に手を伸ばすと、そこには’陽向’と名前が出ていた。

『今日のテストは僕だけが100点だった』

実はあの参観日が終わり家に行って以来、チビひなたとライン交換をした。
今時の子供は流暢にラインまで使いこなせてしまうのか、とびっくりしたけれど

この子の知能指数は7歳にして私と同レベルかとも思う。そう考えたらゾッとしてしまうんだけど、自分の阿保さ加減に。

そして毎日のように私へとラインを送りつけて来る。大体は可愛げのない文章ばかりだが、当の本人樹くんより返信率は全然高い。

『それはそれはすごいですねぇ~天才児かよ』

ぺたんと、猫のスタンプを文章と共に送り付けると返信は秒の速さで返って来る。

『何だその不細工な猫のスタンプ。
デカひなたそっくりだな』

…やっぱり可愛くない。お子様に合わせて子供染みたスタンプをわざわざ送ってやっているというのに。

『お父さんと動物園にいくんだってな』

次に返ってきた返信に指がぴたりと止まる。
そうなのだ。今週末の土曜日、樹くんと動物園に行く事は決まっていた。

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