【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
だって樹くんとのデートだよ?!もしかしたらこれが最初で最後かもしれないでしょう?そんな奇跡のデートにこぶ付きって…そんなのあり得ないよ。
それでも心の中で葛藤。勉強…勉強…勉強。
動物園なんて子供の行く所だって!あんただって十分子供じゃんかよ…。
携帯を握り締めて「うー」と唸り声を上げる。チビひなたなんて放っておけばいいんだよ…。
「どうしたの?ひなたちゃん」
「いえ…。実は今度例の彼とデートする事になったんですけれど…」
「そうなの?!すっごい進展じゃないの。もしかして彼もひなたちゃんを…」
「いえ…そういう訳ではないんです。これには色々と事情があって…私が無理やりと言うか…
まぁそれでもすっごく嬉しいんですけどね!」
「その割には冴えない顔してるね」
「手放しでは喜べないよんどころない事情がありまして…
はぁ~…こんな気持ちのまま楽しめるのかなぁ」
「ひなたちゃんが1番楽しいって思う方法を取ればいい」
ジョージさんは皺だらけの顔で優しく笑う。 私の1番楽しいって思う方法。
そんなの樹くんと二人きりのラブラブデートだよ。そうだ。それ一択だよ。それ以外にありやしない。悩むだけ無駄無駄。
けれど………。