【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー

羨ましい、とは思ったけれどやっぱり微笑ましい気持ちになってしまう。
当たり前の事なんだけど、樹くんの前では子供らしい子供なんだよね。

樹くんに抱かれてはしゃぐチビひなた その横で歩いて動物を見るのも悪くないと思えてしまうから不思議なもんだ。

その後も元気いっぱいなチビひなたに大人たちは振り回されっぱなし。

しかし子供は元気だ。体いっぱいで楽しいを表現してくれる。 動物園は子供の行く場所だ、と生意気な口を叩いていたが、園内を飛び回るチビひなたは見る物一つ一つに目を輝かせて、私や樹くんへ話を掛ける。

チビひなたが楽しそうだから、つられて楽しくなってしまう私だって十分に子供ではある。

「見てー、キリンだよー?首長いねぇー」

「本当だーすげぇー。でも歩き方がゆっくりだね」

「チビひなた!あっち猛獣館だって!ライオンやヒョウが居るみたいだよ」

「…ちょっと怖いな。」

「あーやっぱり子供だあー、ライオンが怖いなんてさ。檻の中に入ってるのに」

「馬鹿かお前?子供扱いするな。僕は全然怖くなんかないんだから」

「あはは、じゃあ行こうー!」

元気いっぱいの私達に比べ、樹くんはついてくるのにいっぱいいっぱいのようだ。
でもチビひなたが嬉しそうで、樹くんも嬉しそうなのは見ていてこっちだけ嬉しくなる。

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