【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
本当は樹くんと二人で手を繋いでラブラブデートを楽しみたかったものだけどね。
間にチビひなたを挟んで手を繋ぐのだって、こんなに楽しいから、小さくって柔らかいこの手のひらがとても愛しく感じてしまうから。
真っ先に走り出すチビひなたに手を引かれ、大人たちが出遅れてしまう。
必死に追いかける中で、ふと樹くんと目が合った。 すると彼は大きな目を細めてこちらへと優しい笑みを投げかける。 その微笑みににこりと笑い返す。
うん。やっぱり今日はとっても良い日だ。その中心に居るのは、やはりチビひなただった。
「ほんっとうにお前は料理が下手だな」
「こら、陽向。せっかくデカひなたが作ってくれたのにそういう事を言うんじゃない。
お父さんは……美味しかったぞ?」
デカひなたって。まあ…いいんだけどね。
作って来たサンドイッチを、二人は全部平らげてくれた。
何の変哲も無い、卵サンドとハムときゅうりのサンドイッチだった。 それでも全部食べてくれた。
「お父さん、僕ソフトクリームも食べたい。」
「あ!いいねぇ~、私も食べたい!」
「じゃあ僕買ってくる。トイレも行きたいし」
「じゃあ私も一緒に行くよ。」
椅子から腰を上げると、チビひなたは私へ駆け寄って来た。そしてこっそりと耳打ちする。