【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー

「そうか。それならいいが…。
陽向は君に甘えすぎだと思う。
大体毎日この家に来る日は一緒にお風呂に入ってるんだって?!
全く一人で入れるくせに子供という特権を利用しやがって」

樹くんは何故かブツブツと文句を言う。

「あら。樹くんも私と一緒にお風呂に入りたいならいつでもご一緒しますよ!」

「俺はそういう事を言っているのではない!」

何故か怒らせてしまった。時たま子供なんじゃないかと思う所がある。

出会った時は大人でクールで素敵な人だと思ったけれど、家で見せる子供っぽい顔もそれはそれで萌える。

いや、萌えた所で仕方がない事なのだが。



―――――

その週の金曜日。軽井沢の別荘らしき立派な建物をバックにピースをしているチビひなたの画像が送られてきた。

すっかりライン友達である。それにしても可愛い。保存しちゃおっと。 近頃私はチビひなた専用フォルダーを作り、日々の写真を保存している。

まるで彼氏だ。ちなみに樹くんは写真が余り好きじゃないらしく撮らせてくれない。という訳で私の携帯のフォルダーは自動的にチビひなたで埋まって行くのだ。

「可愛いなぁ~…」

「お、ひなたちゃん隠し子かい?」

マーメイドのフロアの掃除をしていると、店長が携帯を覗き込む。

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