【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
「それでもいいですッ!私は樹くんの心の片隅にいるだけでもいい!
だってそのままの樹くんを好きになったんだから!
愛しています!本気です!」
私の余りの気迫に、樹くんは頬を緩めて笑った。
きっとこれから色々な事があると思う。 チビひなたには認められないかもしれないし、彼が向日葵さんを忘れる日は無い。
けれどほんの少しでもいい。樹くんの心の片隅で、私が支えになれればそれだけでいい。
「君には敵わない――」
甘いため息を漏らして、樹くんは私の泣き顔にキスを贈った。
世界中で1番幸せにして見せる。 あの日に誓った事。
それは嘘なんかじゃなかったよ。
―――――
晴れて樹くんの恋人の座ゲット!この愛を世界中に拡散したい所だが……
暫くの間チビひなたにはこの事を秘密にしていようという話になった。それには私も同感だった。
だって私はチビひなたのお母さんにはなれないし、向日葵さんの代わりにはどうやったってなれない。
折りを見て陽向には説明するつもりだ、と樹くんは言ったけれど…。
携帯にはかおるちゃんから連絡が入っていた。『どうなってるの?!小鳥遊さんが来てたけど、マジで一体何がどうなっているの?!』彼女自身も偉く混乱しているようだった。
隠す事ではない、と樹くんが言ってくれたから、かおるちゃんには会ってから説明するつもりだ。