【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
「す、ストーカーって!まあ…真実ですけれど…」
「でもその様子じゃあ、やっと樹も君に心を開いたか…。
私はずっとひなたちゃんの様な素直な子が娘になってくれたらいいなぁと思ってたから嬉しいが」
「やーん、ジョージさん、娘なんてー」
ジョージさんの背中を思いっきり叩くと、思いの外力が入ってしまったらしくジョージさんはその場で腰を曲げて押さえた。
樹くんと手を繋ぐチビひなたがくるりとこちらを振り返って、大きな声で叫ぶ。
「おじーちゃん、デカひなた何やってるんだよぉ。早く来いって!
今日はお父さんが焼肉に連れて行ってくれるってー!!」
ちょっぴり日焼けしていたチビひなたの満面の笑顔。ずきりと胸が痛む。
確かにジョージさんから貰った恋が叶うオルゴールは、私の恋を叶えてくれた。
けれど屈託なく笑うチビひなたの笑顔はどこか私の胸を締め付ける。私は世界中で1番樹くんを幸せにしたい。…けれどもこの子の笑顔も守りたい。
もしも私の存在が、この笑顔を曇らせてしまうような日が来るならば…私は樹くんとは一緒には居られない。でもでもでも…絶対に絶対に絶対にこの恋だけは手放したくない。