【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
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ジョージさんと4人で焼き肉を食べて、お店でお別れした。
その後3人で小鳥遊家へ帰る。 当たり前にしていた事なのに、付き合ったという事実があるからどこかぎこちなくなってしまうのは何故なんだろうか。
チビひなたは私達の変化に気づくことなく、私と一緒にお風呂を入りたいと強請り、一緒にゲームをしてお菓子を食べる。
いつも通り、いつも通りなんだけれど、私とチビひなたを見つめる樹くんの視線がいつもより優しく感じるのは気のせいなのだろうか。
「お父さん、チョコレートも食べたい!
今日お土産で買ってきた奴」
「いいけれど、きちんと歯磨きをするんだぞ?」
「分かってるよぉ。あ、そうだ。お土産と言えば」
ゲームのコントロールを放り出したかと思えば、チビひなたは旅行に持っていったリュックを漁りだした。
そして大きな目を輝かせて、私へと「これ」と言って差し出した。
「何これ」
「デカひなたへお土産」
「私に?!」
「そう。」
こくんと頷いたチビひなたは頬を少し赤らめて、何故か恥ずかしそうにする。
手のひらサイズの白いお土産袋に入っていた物は、可愛らしい狸のキーホルダーだった。そこには、ひなたと名前が刻印されていた。