【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
私…やっぱりここの清掃員やっていて良かった!(一応)同じ職場だから偶然会っちゃう事もあるもんね。これってある意味社内恋愛?憧れのオフィスラブ!
「デカひなたの後ろ姿が見えたからつい。さっきまで違うオフィスに行っていたんだ」
「そ、そうなんですか!それはお疲れ様です!」
樹くんからはいつもながら良い匂いがした。 きちんと手を洗ったとはいえ、さっきまで汚物処理をしていた身。何だか申し訳なくって、後ろへと後ずさりをしながら樹くんへと笑顔を送る。
その私の挙動不審な動きに、彼は不思議そうに頭を傾げじりじりと近づいてくる。
「あの、私に余り近づかないで下さい」
「何故に?」
後ろに一歩下がれば、前へと足を一歩進める樹くん。
「私臭いかもしれないから!」
「臭い?」
「先ほど1階のロビー近くのトイレに汚物が散らばっておりました!それを片付けていたので!
それに仕事で走り回っているので汗臭いかもしれないので!
こんな汚い私の側には余り寄らないで下さい!」
しどろもどろ説明をする私に樹くんはくすりと微笑みを落とし、横から出ている髪の毛を指ですくいそれを自分の鼻先まで持っていく。