【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
「君はいつも良い匂いだ」
その行動を前に思わず頰が緩み、でれーっとした顔になってしまう。
「君の事だ、どうせまた人の嫌がる仕事を率先して行ったのだろう。
そんなの親父に任せておけばいいのに」
「ああ、ジョージさんならまた長期休暇を取っているみたいですよ?恋人と海外に旅行とか」
今日職場の事務所に行ったら、ジョージさんは1週間休みになっていた。
相変わらず色々な意味で忙しい人だ。 彼はとっくに現役を引退していて、会社は有能な役員たちに任せっきりらしい。
奔放でフットワークの軽いジョージさんらしいが、そう考えたら性格は樹くんとは余り似ていない。 樹くんは仕事に対しては真面目な方だと思う。 私が小鳥遊家へ行くようになってからも、帰って来るのはチビひなたが寝静まった頃だった。
「またか…。あの人は全く昔から変わらないな。母さんに愛想をつかされたのも分かる。
それよりデカひなた、今日は何時まで仕事だ?」
「掃除道具を片付けたら終わりです! 1回家に帰ってから小鳥遊家へ向かいますね! 今日はチビひなたとDVDを一緒に借りに行く約束をしているので」
「それならば一緒に帰ろう。今日は仕事も終わりだ。1回オフィスに戻り、少しだけ事務処理を終わらせる。
タイムカードを切ったら俺の会社に来い」