【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
「あ、デカひなた。それ」
「ん?」
私の手の持っていた鞄についていたキーホルダーを指さしてチビひなたは嬉しそうに笑った。
「うん。つけているよ」
「僕も学校の鞄に付け替えたんだ。お揃いだな」
「うん、そうだね。」
「あー!こっちこっち!このアニメのDVDが見たかったんだ!
デカひなた早く来いって!」
私の手を引っ張って、アニメDVDのコーナーへ連れて行くチビひなた。 屈託のない笑顔をこちらへ向ける。
でも…私と樹くんの関係を知ってしまっても、この子は私に変わりのない笑顔を向けてくれるだろうか。
いつも通りの日常は過ぎていく。
一緒にご飯を食べて、お風呂に入って、DVDを見る。
明日は学校だから、と樹くんにDVDを途中で止められてしまって拗ねた顔を見せた。
21時になる前にチビひなたと一緒にベッドに入って、彼がしてくれる日々の話を聞いていた。
「隣のクラスのユキちゃんに告白されたんだ。付き合ってくださいって」
「は?あんた小学校2年生でしょう?最近の子供は進んでるわね」
子供、と言うとチビひなたはムッとした表情を見せる。
「4組では付き合ってる奴ら居るよ。 それに僕モテるんだ。去年のバレンタインも10個チョコ貰った!」
「へぇーそれはすごいすごい。で、チビひなたはユキちゃんと付き合うの?」