【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー

「だってリョウタのお母さんが男は将来有望なのが1番よって言ってたし」

リョウタのお母さんよ、子供の前でなんつー話をしてくれる。
チビひなたは布団の中で大きな瞳だけ出して、ジッと私を見つめた。

「デカひなたはお父さんにも相手にされないだろうし、このままいったら一生彼氏も出来ないだろうから
その時は僕がお嫁さんにしてあげるよ。これは同情だけど」

それだけ言い捨てるとサッと布団に潜り込み、中からは安らかな寝息が聴こえてきた。
余計なお世話…!

でも小さい子供の’お嫁さんにしてあげるよ’は同情でもこんなにときめいてしまう。

やっぱりこの子は樹くんと親子だ。形は違えど、私へ沢山のときめきをくれる。 スースーと小さな寝息が規則的に聴こえ、布団をちょっと捲ると天使のような顔をしてチビひなたは眠っていた。

布団を綺麗に掛け直して、静かにチビひなたの部屋を出る。

ソファーでは樹くんが座っていて、パソコンを開いて持ち帰っていた仕事をしていた。
こちらへ向ける大きな瞳は、チビひなたそっくりだ。

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