【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
「ひ、陽向。どうした?トイレか?」
慌てて樹くんから離れるも、時既に遅し。
チビひなたはこちらへ歩いてきて、キッと私を睨みつける。
「ち、ち、チビひなた、これは違うの!」
「お父さんに触るな!」
私へ怒鳴り、樹くんのパジャマの裾を引っ張る。
ひぇ…!すっげー怒っていらっしゃる。
そして樹くんの膝の上に登り「お父さん、大丈夫?」と言った。 これじゃあまるで私が無理やり樹くんに迫った痴女ではないか…。
困ったように樹くんはチビひなたへ視線を落とし、頭を撫でる。そして諭すようにチビひなたへと説明を始めた。
「あのな、陽向。お父さんなデカひなたを好きになってしまったんだけど、仲良くしてもいいだろうか?
勿論それは陽向も一緒に。
お父さんはこの先もずっとデカひなたと一緒に居たいと思う。駄目だろうか?」
樹くんを真っ直ぐに見つめる純粋そのものの瞳が大きく見開いて、口をぽかんと開けて言葉を失っている。
直ぐにショックを受けているのが分かった。 膝からゆっくりと降りて、私と樹くんを交互に見つめる。
「それって…お父さんがデカひなたと結婚するって事なの…?」