【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー

「けッ結婚って。そんな突然…。
今はまだ仲良くなったばかりだから、突然結婚って事はないよ。
けれどもこの先ずーっと仲良くしていけたら…いずれかは結婚もするかもしれない。
どうだろう、陽向もデカひなたがお母さんになったら嬉しくないか?」

「おかあさん……」

結婚なんてまだまだ先の話だろう。けれどいずれ…私との将来の事を少しでも考えてくれているのは、正直嬉しい。

けれどもそんな私の考えと対称的にチビひなたはショックを受けている様だった。 お母さんは、ありえないだろう。だって突然現れた女をお母さんとして見てくれって絶対無理がある。

俯いてぎゅっと唇を噛みしめた。チビひなたは明らかに戸惑っていた。

「ちょ、ちょっと待って、樹くん。
お母さんはありえないよ。そんな風には思えない。 だってチビひなたのお母さんはこの世で一人だもんね」

私だって、お母さんを事故で亡くしている。
チビひなたとは状況が違うけれど、私にはおばあちゃんが居てくれたけれど

どれだけ愛情を注いでくれたっておばあちゃんはお母さんの代わりにはなれなかった。おばあちゃんの事は大好きだったけれど、私にとってのお母さんはどれだけ年月が流れても亡くなったお母さん一人だった。

だから無理やり私をお母さんと思わせるのは、余りにも酷だ。

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