【完】＃ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望！ー

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樹くんと二人で話し合って暫く家には行かない事にした。

謝罪のメールをチビひなたへ何度も送ったけれど、返信は無し。毎日のようにメッセージのやり取りをしていたのに…。それは生活の一部になっていたのに。

それが何より悲しかった。

いつの間にか冬の足音が近づいてきて、街はクリスマスカラーに色付けされていく。　それなのに、あの子と過ごした毎日は消えてしまった。ぽっかりと心に穴が空いていく。

抜け殻のような日々を送っていた。

「時間が経てば、落ち着くと思うから。
それに君のせいじゃない」

仕事で忙しい日々の中、樹くんは私と二人で居る時間を作ってくれた。

君さえ良ければ、いつだって家に来ればいい。そうは言ってくれたものの、チビひなたへ合わせる顔がない。

完璧に嫌われた。メールの返信がないのがその証拠だ。

「そうは言っても…」

「早く食べないと麺が伸びてしまうよ？」

食欲を無くす事なんて今までなかった。どんなに彼氏にこっ酷く振られた日も、仕事で失敗してしまった日でも、詐欺師紛いの事をしていた男に騙された日でも、テストで０点を取った日でも
食欲だけはあった。けれど今は目の前の大好物のラーメンさえ喉を通らない。