【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー

君が好きだ。
こんなにも。

失う事に怯えて、得る事を躊躇った憶病だった俺へ
いつだって君は正直に真っ直ぐに追いかけて来てくれたから。

そして俺だけじゃなくって、陽向の気持ちまで動かしていってくれた。
君には絶対に敵わない。

「私もこれから新しい恋でも探さなきゃね。さって仕事仕事。
新しいウェブサイトの件で一色から提案があるそうよ。一緒にこれからもスターサンフラワーを大きくしていきましょう」

やけにすっきりとした顔で、夏村は左手を俺の方へ差し出した。それをぎゅっと強く握る。

「ありがとう。夏村。
向日葵が居なくなって仕事でも大変だった時期に君に支えられたのは嘘じゃない」

窓際の向日葵が優しく揺れていて、まるで俺達を優しく見守っているように見えた――。

向日葵、ありがとう。
君を忘れずに、大切な人と歩む俺をどうか許してくれ。

そんな事を思ったら「馬鹿ね」と言ってまたあの優しい微笑みを揺らす君の姿が瞼の裏に見えた。

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