【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
「小鳥遊社長!!」
ノックもせずに騒々しく扉が開いたかと思えば、顔を真っ青にした一色がそこには立っていた。
「ちょっと一色、ノックもせずに何よッ。
今から行くところなんだからそんな慌てないでよ。
それよりも資料の用意は出来ているの?」
「夏村、それどころじゃない…。
小鳥遊社長たった今警察から連絡が着て、陽向くんが交通事故にあったって」
「え?!」
「樹!」
「警察の話によると、陽向くんに怪我はないみたいなんだけど救急車で運ばれて
直ぐに病院に来てほしいとの事です」
ガタガタと足が震えているのが分かった。
向日葵を失ったように、陽向まで失ってしまったら俺は生きてはいけない。
けれど一色の陽向に怪我はないという言葉を聞いて、体の力が抜ける。
慌てて一色が駆け寄ってきて、俺の肩を支えた。
「すまん、びっくりして」
「いえ、大丈夫ですか?」
「ちょっと一色驚かせるような事言わないで頂戴!
陽向くんに怪我はないんでしょう?きちんと確認取ったんでしょうね?」
「ああ、陽向くんには怪我は一つもないみたいなんだけど
陽向くんと一緒に居た女の子が陽向くんを庇ったみたいで、そのまま病院に運ばれたようで
永瀬ひなたさんという女性みたいなんですが
社長?!」