【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
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僕を庇ったデカひなたは道路で目を閉じたまま、何も言わなくなった。

僕を抱きしめた腕からは血が流れていて、「デカひなた、デカひなた」と何度名前を呼んでも、返事は返ってこなかった。

救急車に乗せられて、中で緊急隊員のお兄さん達が慌てて何かを話している。

デカひなたは目を閉じたまま、救急車の中で酸素マスクをつけられて、腕にも器械のような物をつけられた。

僕のせいだ。僕を庇って、デカひなたまでお母さんのように死んじゃう。そう思ったら涙が止まらなくって、悲しい気持ちでいっぱいになった。


もう、人の死は理解出来た。
二度とは会えなくなる事。もう笑ってはくれない事。問いかけに返事はない事。

嫌な態度を取ったまま、ごめんなさいと素直に謝る事も出来なかった。
大好きだったのに、ずっと一緒に居たいと思ったのに。

病院について、デカひなたとは引き離されてしまった。 僕は看護師さんに「痛い所はないか?」と訊かれ、色々な所を触られたりしたけれどその間も涙は止まらなかった。

不安で仕方がなかった。 「デカひなたは?」と看護師さんに訊くと、看護師さんは優しく笑って「一緒に来たお姉ちゃんなら大丈夫よ。ちょっとお医者さんに診て貰うだけだからね?」と言った。

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