【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
でも、お母さんが病院に入院している時も皆口を揃えて「お母さんは大丈夫だよ」と言った。 けれどお母さんは死んでしまった。だから涙はずっと止まらなかった。
お母さんのようにデカひなたにもう会えなくなったらどうしよう。そんな事ばかり考えていたら、お父さんが病院にやって来たんだ。
「陽向ッ…!」
「お父さぁん…」
お父さんの顔を見たら安心してしまって、更に涙が出てしまう。
直ぐに僕を抱き上げて、頭を撫でるとぎゅっと僕を抱きしめた。
「デカひなたが…死んじゃう…!
うわぁあああん。ごめんなさい…ひっく、ひっく、僕が信号も見ずに道路に飛び出してしまったから
お父さん…ごめんなさい…。
嬉しかったのに…デカひなたに会えて…嬉しかったのに…」
「大丈夫、大丈夫だよ、陽向」
「でも…でも…僕今度あいつに会ったらごめんなさいって謝ろうと思ったのに…ひっく、ひっく。
謝る事も出来なくて…」
「分かってる、大丈夫だ。陽向」
「でも皆大丈夫だって言ってたのに…お母さんは死んじゃった…」
ぎゅっと僕を抱きしめるお父さんの腕に力が入った。 お父さんは今にも泣き出しそうに顔を歪めた。