【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
本当はずっと知っていたんだ。
デカひなたはお父さんが好きで、お父さんもデカひなたが好きだって。
「君の方こそ何をしている?!体は?!」
「あはは~ッ。怪我は大した事ないんですよぉ~ッ。車にぶつかった訳じゃないから~
でも気を失ってしまったみたいで、腕と足もレントゲンを取って貰ったんですけど、異常はないみたいです…!
大袈裟に車椅子になんか乗せられちゃって~!
それよりチビひなたは大丈夫ですか?!」
ちらっと僕の方を見たデカひなたが「良かったぁ~」と声を上げた。
僕は涙が止まらなかったけれど、それはもう悲しい涙ではなくて嬉しい涙だと分かって
心底安心した。 けれどお父さんの雷はデカひなたの頭に落っこちた。
「馬鹿野郎!」
「ば、馬鹿野郎って…ひどくないですかぁ~?
でもほら、全然歩けるんですよ?ピンピンッ。 自分でもここまで頑丈なのは呆れますが…
まぁ殺しても死なないと昔から言われてまして。
それにチビひなたが大丈夫そうで良かった~」
ふにゃあっとしたデカひなたの笑顔。 僕もかけつけたい気持ちでいっぱいだったけれど…
怒ったお父さんの瞳に涙がいっぱい溜まっていたから、それは躊躇してしまった。